湘南藤沢徳洲会病院 脊椎センター・脊柱側彎症センター

脊椎の手術

手術方法

脊柱変形

特発性側彎症に対しては、症例によっては小切開で手術を行うことができます。まず脇の下に7cm程度の切開を2箇所作成します。そこから内視鏡でサポートしながらすべての手術操作を行い、脊椎変形の矯正と固定を行います。
従って、手術痕がほとんどわかりません〔図6〕。同時に十分な矯正ができます。

図6:特発性側彎症に対する小切開手術、術前・術後

〔図6〕特発性側彎症に対する小切開手術、術前・術後

特発性側彎症
費用 1椎間 55950点
2椎間 83925点
3椎間 111900点
4椎間 139875点
5椎間 167850点

(手術手技のみの点数、入院費等は別途発生いたします)
高額療養費制度(お支払い金額の減額措置)が受けられます。詳細はお問い合わせ下さい。
※患者様ごとに手術範囲など変わる場合がありますので上記の限りではありません。
治療の主なリスク 出血、肺塞栓、術後感染、乳び胸、麻痺(センター開設後、現在まで麻痺事例はありません)など
副作用 骨癒合が遅れる場合があります。

先天性形態形成異常

癒合した脊柱を切り離したり、1/2や1/4しか形成されてない脊椎の骨を切除したりして、そこへインストゥルメンテーション手術を行い脊柱の変形を矯正して固定します。 

変性・加齢

変形性脊椎症による脊柱管狭窄症による痛みや麻痺に対して、頚椎でも腰椎でも脊柱管を拡大する手術を行います。
腰部脊柱管狭窄症では、〔図1〕のように神経への圧迫を解除します。

腰部脊柱管狭窄症と脊椎狭窄症

図1:椎弓形成術、変形性脊椎症による腰部脊柱管狭窄における神経への圧迫の除圧

〔図1〕椎弓形成術、変形性脊椎症による腰部脊柱管狭窄における神経への圧迫の除圧

腰部脊柱管狭窄症(椎弓形成術:神経への圧迫除圧)
費用 1椎弓 24260点
2椎弓 36390点
3椎弓 48520点
4椎弓 60650点
5椎弓 72780点

(手術手技のみの点数、入院費等は別途発生いたします)
高額療養費制度(お支払い金額の減額措置)が受けられます。詳細はお問い合わせ下さい。
※患者様ごとに手術範囲など変わる場合がありますので上記の限りではありません。
治療の主なリスク 出血、肺塞栓、術後感染(頻度1%前後)、麻痺(センター開設後、現在まで重度麻痺事例はありません)
副作用 狭窄再発の可能性があります。再度手術加療を行なうことは可能です。

脊椎すべり症や変性側彎症や脊椎不安定症による脊椎狭窄症に対しては〔図2〕のように神経の圧迫を解除してさらに脊椎固定術を行います。
また、頸部脊柱管児狭窄症には脊柱管拡大術を行って脊髄の圧迫を除きます。

図2:腰椎すべり症に対する除圧ならびにインストゥルメンテーション手術を用いた脊椎固定術

〔図2〕腰椎すべり症に対する除圧ならびにインストゥルメンテーション手術を用いた脊椎固定術

脊椎すべり症や変性側彎症や脊椎不安定症による脊椎狭窄症(後側方固定)
費用 1椎間 32890点
2椎間 49335点
3椎間 65780点
4椎間 82225点
5椎間 98670点

(手術手技のみの点数、入院費等は別途発生いたします)
高額療養費制度(お支払い金額の減額措置)が受けられます。詳細はお問い合わせ下さい。
※患者様ごとに手術範囲など変わる場合がありますので上記の限りではありません。
治療の主なリスク 出血、肺塞栓、術後感染(頻度1~3%)、麻痺(センター開設後、現在まで重度麻痺事例はありません)
副作用 固定した範囲での頭側あるいは尾側椎間での狭窄が稀に生じることもあります。再度手術加療を行なうことは可能です。
椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア〔図3-1〕に対しては、一般的には出来るだけ小さな切開で顕微鏡下でヘルニア摘出術を行います〔図3-2〕。脊椎固定を追加する場合もあります。 

図3-1:間板ヘルニア、脱出した椎間板組織の一部が神経根を圧迫

〔図3-1〕

椎間板ヘルニア、脱出した椎間板組織の一部が神経根を圧迫

図3-2:椎間板ヘルニアの摘出術

〔図3-2〕

椎間板ヘルニアの摘出術

腫瘍

腫瘍を取り除いて、神経に対する圧迫を除き人工椎体やインストゥルメンテーションといった手術法でスクリューやロッドを用いて脊椎をしっかり安定させるものです。

炎症

慢性関節リウマチに伴う破壊性脊椎症では、神経への圧迫を除き、インストゥルメンテーション手術を用いて脊椎をしっかり安定させます。
化膿性椎間板炎・脊椎炎では、排膿して、さらに脊椎固定を行うこともあります。

外傷

破壊された脊椎の骨を除去したり、脱臼した脊椎の骨をもとへ戻して神経への圧迫を取り除き、さらにインストゥルメンテーション手術を用いて脊椎を安定させるために脊椎固定術を行います。
骨粗鬆症に伴う圧迫骨折に対しては、脊椎固定術を行います。 

牽引手術システム(CORRECTION BOX)と模型を利用した脊柱側彎症の後方矯正固定術

当センターでは江原が独自に開発した脊柱側彎症手術に対する牽引手術システム(CORRECTION BOX)を用いて手術を行っています。手術室において手術直前に両下肢を牽引して脊柱変形をできるだけ矯正した上で手術を開始するシステムです。このために手術切開を始める前にすでにバランスを戻し相当の矯正を獲得してからの手術になります。

牽引手術システム(CORRECTION BOX)
※模型を利用した脊柱側彎症の後方矯正固定術

当センターでは、脊柱側彎症の手術開始前に手術台の上で矯正ボックスを用いてバランスを整え、さらに上下肢を牽引してできるだけ側彎症のカーブ矯正を行ないます。その後、手術を開始します。後方矯正固定術では椎弓根スクリューを挿入し、続いてオープンアウトリガーを用いて矯正を加えロッドを挿入したり、ショートロッドで少し矯正してからロングロッドを挿入し、その上でダブルロッドローテーションを施行しさらに矯正します。
さらに伸展や圧縮、in situbendingを行ってより矯正します。椎弓根スクリューを挿入できないところでは圧縮フックを使用することで骨をしっかり捉えることが可能です。 成人側彎症の場合、矯正した脊椎が傾斜することが稀にあるので、骨盤から直角にセットしたショートロッドを連結して完全なバランスに整えることもあります。
さらに、椎弓にライトアングルフックを取り付けてロッドと固定することで固定強度を高めることができます。 手術には種々の矯正オプションを用いますが、動画はその一例を模型で示したものです。

血管障害

硬膜外出血などは、脊椎の骨の一部を切除して、脊髄を圧迫している血腫を取り除きます。 

その他

人工透析中に発生してくる破壊性脊椎症などでは、慢性関節リウマチの頚椎に対する治療と同じように神経への圧迫を除き、インストゥルメンテーションを用いて脊椎をしっかり安定させます。 

パンフレット
  • Artis Zeegoを中心とした頸椎・胸椎・腰椎および脊柱側彎症手術

    日本語版

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  • Cervical, thoracic, lumbar spine and scoliosis surgery - with Artis zeego

    英語版

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